MTA治療について

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

MTA (Mineral Trioxide Aggregate)はセメントの一種です。

ケイ酸カルシウムを主体とした無機セメントです。

高い生体親和性が特徴です。

どのような治療に有効かというと、

う蝕が進行し歯髄まで達している場合、抜髄といい神経を取り除く治療が一般的です。しかし歯髄はできるだけ温存させたい。

MTA治療では、感染歯髄を取り除き、健全な神経を残します。そこに生体親和性の高いMTAセメントを貼付しコンポジットレジン修復等の治療をおこないます(直接覆髄、生活歯髄切断法など)。

他には逆根管充填の際に使用します。

根尖に病巣があるときに外科的に病巣を感染している歯根の尖端ごと取り除く方法があります(歯根尖切除法)。根尖から約3mm程度の歯根を切断し、更に切断面の根管から材料を埋める方法を逆根管充填といいます。

今まで逆根管充填に使用していたsuper EBAセメントは細胞毒性があるため成功率が少し低かったのですが、MTAセメントを使用することにより成功率が上がります。

パーフォレーションリペアにも有効です。

根管内と歯根の表面が交通してしまった状態。治療の結果の偶発症になります。放置しておくと感染し抜歯をせざるを得なくなります。

MTAセメント充填することで抜歯を回避することが可能になります。

尾澤歯科医院にて使用しているMTAセメントはProRoot MTA(デンツプライシロナ)、MTAアンジェラスHP(ヨシダ)になります。治療内容により使い分けています。

MTAセメントは大変優れた歯科材料ですが、健康保険の適応外です。

尾澤歯科医院ではマイクロスコープを用いた精密な治療と、優れた生体親和性を有するMTAセメント治療を組み合わせています。

治療費用はMTA治療代として5万円/本(税別)になります。

歯を出来るだけ保存するために、様々な症例に対応していきます。

投稿日: by nomura

カテゴリ:むし歯, 歯内療法