歯周病の治療

歯周病の治療

歯周病とは

歯垢(プラーク)中の細菌によりひきおこされる炎症性疾患です。
35才以上の成人の80%が歯周病だといわれています。

歯周病とは

図1 左は正常組織。右側は歯周炎。

細菌の作用により歯周組織(歯ぐき、歯槽骨)は破壊されていきます。
歯周病は歯ブラシ、歯間ブラシ、うがい薬では治りません。
歯科医院での治療、ご自身の手入れ、定期検診の3つが重要です。

ページトップに戻る

歯周病治療の流れ

歯周病治療の流れ

1.診査・診断

どのような歯周病かを診断します。
歯周ポケット診査、レントゲン撮影、口腔内写真撮影を行います。
診断に合わせた治療計画を立案いたします。

2.初期治療1

ご自身の手入れはとても重要です。
手入れがうまくできない場合は治療をしても治せません。
歯科衛生士による歯磨き指導により、手入れの改善をはかります。
簡単に落とせる歯石(縁上歯石)、プラーク(歯垢)を、2回の来院で落していきます。
歯周検査にて改善を確認します。
軽度の歯周炎の方は治療はここまでです。

3.初期治療2

歯ぐきの内側にある歯石(縁下歯石)、プラークを落とします。
局所麻酔が必要です。4回の来院で落としていきます。
歯周検査にて改善を確認します。

4.歯周外科

中等度~重度の歯周炎の場合、歯石が深くまであるため取りきれません。こういう場合は外科的に取っていきます。
麻酔をしてから切開をし、歯科医師が直接歯石を確認してから除去します。
歯周検査にて改善を確認します。
切開は怖いイメージがあると思いますが、術後はほぼ痛みも腫れもありません。

5.定期検診

3か月~半年の定期検診をお勧めしています。
手入れができない部位は、治療しても3か月で元の細菌が繁殖するといわれています。

ページトップに戻る

手入れ方法

3つの道具を使います。

1.歯ブラシ

歯ブラシは定期的な交換をお勧めします。
毛先が開いてきたら交換では遅いです。
歯ブラシは「コシ」が大事です。毛先のコシがなくなるときちんと歯に当てていても掃除ができていないのです。
1か月に1本の交換を目安にしてください。
歯ブラシの大きさは小さめが奥歯に到達しやすいため良いです。
硬さは「ふつう」が良いです。歯ぐきが腫れていたい場合は「やわらかめ」を選びます。

2.歯間ブラシ

SSS、SS、S、M、Lなどの種類があります。
患者様に合った歯間ブラシがありますので、歯科衛生士が指導いたします。

歯間ブラシ歯間ブラシ

3.デンタルフロス

軽度の歯周炎の場合はフロス(糸ようじ)を使用します。
歯ブラシで念入りにブラッシングをしても、歯と歯の間は磨けません。歯間ブラシ、デンタルフロスは歯周病を防ぐためには必要不可欠なものです。必ず使用しましょう。
口臭を気にされる方が多いですが、歯周病治療+ブラッシング+デンタルフロスにてほぼ改善します。口臭の80%が歯周病菌が出すものだからです。

フロスはワックス付きの方が使いやすいです
フロスはワックス付きの方が使いやすいです。

40cm位を中指に巻きつけます
40cm位を中指に巻きつけます。ピンと張った状態で人差し指で操作します。

歯の側面をこするようにして掃除をします

歯の側面をこするようにして掃除をします。

ページトップに戻る

エムドゲイン

エムドゲインとは?

エムドゲインとは、 スウェーデンのビオラ社で開発された歯周組織再生用材料で、歯の根元をおおい、歯周組織の再生を促す効果があります。
エムドゲインの主成分は、子供のころ、歯が生えてくるときに重要な働きをするたんぱく質の一種です。現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、幼弱ブタの歯胚から抽出精製したもので、世界39カ国で使用されています。

エムドゲイン

歯周外科にて根面をきれいにし、エムドゲインを塗布し縫合します。

従来の方法ですと、炎症は改善しても骨は減ったままで治癒します。歯ぐきも退縮するために審美的にも機能的にも問題が生じます。エムドゲインを使用することで、骨が回復し、粘膜の退縮も少なくてすみます。保険外治療となります。

ページトップに戻る