アーカイブ: 11月 2016

骨粗鬆症 高齢者への対応

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成28年11月12日、13日にCIDクラブ15周年記念講演会がありました。

img_2274

「医科からの提言:骨粗鬆症・高齢者への対応」というセッションの座長をしました。

3名の著名な先生にご講演をしていただきました。

林泰史先生は整形外科医で東京都老人医療センター病院長、東京都老人総合研究所所長等を歴任された先生です。

林先生には整形外科医の立場より話していただきました。

大腿骨頸部骨折により歩行困難になり、寝たきりとなる。

これを防ぐのはBPがファーストチョイスでることに変わりはない。

BP内服、静注を問わず、ONJの発生率は10万人に何人かいるというレベルである。他にも合併症は様々である。

顎骨壊死に関しても治療法を説明していただきました。

包括的に適した治療法を選択することが必要であるということでした。

2人目は黒嶋伸一郎先生。長崎大学の講師で、骨の基礎研究や顎骨壊死に関する研究をされている先生で将来の歯科界を担うべき先生です。

黒嶋先生には大学病院にて、骨粗鬆症に関する研究、大学病院での臨床例を呈示していただきました。従来の温存療法ではなく、外科介入を積極的に行うことが印象的でした。

3人目は山下巌先生。東大医学部出身で現在は医科、歯科のクリニックを開業しています。歯科に対してのご理解があるため、日頃より我々のご意見番としてお世話になっている先生です。

山下先生には、禁忌とすることで思考停止ををきたす。リスク管理をした上で患者のベネフィットを考慮した治療計画を行う。

リスク管理は医科的なトレンドを把握しておく必要がある。

また、主治医との連携の必要性を糖尿病や骨粗鬆症のケースを元にお話していただきました。

顎骨壊死に関するポジションペーパー2016が発表されています。

口腔衛生状態を歯科医師が管理することにより、BP製剤等由来の顎骨壊死の発生率を低下させることができる。

BP等の薬剤の休薬はしなくても良いとする論文が多いが、処方医と連携をとりながら方針を決めていくことが大事である。

医科歯科連携と言葉では簡単だが、実際には双方の理解が必要であると感じております。

今回の講演会により様々な方と議論を交わすことが出来、有意義な会となりました。

 

 

投稿日: by nomura