アーカイブ: 1月 2020

リグロスを使用した歯周病治療

東京都葛飾区 尾澤歯科医院院長の野村です

「リグロス」(トラフェルミン)を使って歯を残して欲しいという患者さんが多く来院します。

「リグロス」は元々皮膚科等にて褥瘡治療などに利用されていた薬剤です。

細胞の増殖因子であるbFGFという物質が、細胞を増やすことで創傷を早く修復します。

歯周治療にこの「リグロス」を使うことで歯槽骨の再生を促すことが出来ます。

「リグロス」は健康保険の適応となります。

効果は万能ではなく、重度の歯周炎の場合は十分な効果が得られません。

骨は、平らな骨の上に盛り足すように形成しません。

骨が再生しやすい環境は、骨に囲まれた状態の骨欠損です。

ですので、重度歯周炎で周囲の骨が360度無くなっている状況では、残念ながら効果はありません。

適応症がありますので、十分な効果を得るためにご心配な方はお早めに相談してください。

 

 

投稿日: by nomura

嘔吐反射の強い方の歯科治療

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

当院には嘔吐反射の強い方が多く来院されます。

鎮静下にて歯科治療をしているからです。

歯科治療は歯以外の部位にどうしても触れてしまいます。

舌や上あごの奥の方などにも、吸引の管や型どりの材料が入る事があります。

嘔吐反射は生理的なもので誰でもあるものです。

しかし、通常は少し触れただけでは反射はおきません。

反射が強い患者さんにとっては、歯科治療は大変苦痛になってしまいます。

当院では、このような嘔吐反射の強い患者さんに対して、鎮静下にて反射を和らげてから治療をしています。

まずは笑気吸入鎮静法です。

鼻にカニューレを入れて20〜30%笑気ガスを吸入します。

妊婦など禁忌はありますが、多くの患者さんに有効です。

意識ははっきりしていますが、手足が温かくなる感じでリラックス出来ます。

虫歯の治療、型どりまで対応出来ます。

次に、静脈内鎮静法。

これは点滴を確保してから鎮静剤を静脈投与する方法です。

鎮静剤はおもにミダゾラムを使用します。インプラント治療の鎮静ではプロポフォールを併用することが多いです。

意識がある状態で鎮静のコントロールをします。呼びかけに答えられる程度の鎮静度合いです。

日本歯科麻酔学会認定医がおこないますので安心です。

健康保険の適応となりますので、嘔吐反射の強い方は相談してください。

投稿日: by nomura