カテゴリ: 歯周病

歯周病と早産・低体重児出産

東京都葛飾区金町の歯科医院 尾澤歯科医院院長の野村です。

「歯周病と早産・低体重児出産について」

日本歯周病学会出版の「歯周病と全身の健康」によると、

正常に出産した場合、子宮内感染は1%未満との報告があります。

しかし、羊水や羊膜が細菌感染をおこすと、早産や低体重児出産のリスクが非常に高いと考えられています。

歯周炎に罹患すると炎症部位より歯周病菌が血流にのって2次感染を引き起こします。妊婦においては産科器官への感染によるリスクがあります。

炎症反応で産生される炎症性物質は、

IL-Ⅰ, IL-6, TNF-α,などのサイトカイン、ケモカイン、PGなどが挙げられます。

これらの炎症性物質の上昇によりタンパク質分解酵素の分泌を促進、

子宮収縮を引き起こし切迫早産等に影響する可能性があります。

尾澤歯科医院においては、すべての患者さんに対して歯周病のコントロールを推奨します。

歯周病が全身に与える影響は様々なものがあります。

妊婦への歯周病コントロールもその1つです。

安心して出産を迎えられるようにサポートしていきます。

 

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リグロスを使用した歯周病治療

東京都葛飾区 尾澤歯科医院院長の野村です

「リグロス」(トラフェルミン)を使って歯を残して欲しいという患者さんが多く来院します。

「リグロス」は元々皮膚科等にて褥瘡治療などに利用されていた薬剤です。

細胞の増殖因子であるbFGFという物質が、細胞を増やすことで創傷を早く修復します。

歯周治療にこの「リグロス」を使うことで歯槽骨の再生を促すことが出来ます。

「リグロス」は健康保険の適応となります。

効果は万能ではなく、重度の歯周炎の場合は十分な効果が得られません。

骨は、平らな骨の上に盛り足すように形成しません。

骨が再生しやすい環境は、骨に囲まれた状態の骨欠損です。

ですので、重度歯周炎で周囲の骨が360度無くなっている状況では、残念ながら効果はありません。

適応症がありますので、十分な効果を得るためにご心配な方はお早めに相談してください。

 

 

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歯周病治療の種類は?

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院 院長の野村です。

当院では歯周病のコントロールを重視しています。

歯周病のコントロールは口腔内細菌のコントロールになります。

口腔内の疾患の多くが口腔内細菌が原因です。

従って、歯周病をコントロールすることは口腔内の疾患を防ぐことにつながるということで重要視しています。

歯周病治療にはいくつか種類があります。

①プラークコントロール

歯磨き指導により、プラーク(細菌)を極力減少させます。歯科衛生士が担当します。歯周病治療の基礎となりますので頑張りましょう。目標は20%以下(プラークコントロールレコード:PCR)です。

②スケーリング、ルートプレーニング

歯に付着して歯磨きでは取れない歯石などの付着物を取り除きます。歯科医師や歯科衛生士が担当します。プラークを放置すると、石のように固くなってしまいます。超音波スケーラーや、ハンドスケーラーを用いて除去します。一度に全て取り除けないために、4〜6回かけて行います。これも地道な治療ですので頑張って通って下さい。

③歯周外科

歯周ポケットの奥の方にある歯石は、②の治療では取り除けません。麻酔をして歯ぐきを切開して手術をします。直接眼で確認して治療ができるため確実に除去することが可能です。さらに、リグロスという再生治療に用いる薬を使用すると効果的です。健康保険適応です。このほか保険適応外の薬(エムドゲイン)も大変効果的です。担当医にご相談下さい。

④メインテナンス

継続したメインテナンスは大切です。歯周病は生活習慣病ですので、元に戻ってしまう可能性があります。かかりつけの歯科医院にて定期的にメインテナンスをしましょう。

 

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新しい歯周病の薬「リグロス」

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院 院長の野村です。

健康保険適応の歯周炎の薬「リグロス」が発売となり、尾澤歯科医院において取り扱っております。

今まではエムドゲイン(保険適応外)を使用していました。

エムドゲインはこれからも使用していきますが、保険適応外のため自費治療になります。

トラフェルミン(商品名リグロス)は血管新生促進、肉芽形成促進、表皮形成促進させる効果があります。結果的に歯周組織の再生を促します。

歯周炎の治療は初期治療として歯磨き指導、歯石除去(歯肉縁上、歯肉縁下)を行います。

再評価(歯周精密検査)の後に、必要であればFOP(フラップオペレーション)を行います。

FOPの際に使用するのがリグロスです。

今までは、健康保険適応の術式では、FOP時の再生治療は認められていませんでした。従って、組織の再生まではあまり期待出来ませんでした。

リグロスを利用することで、歯周組織の再生が期待できるようになりました。

使用には適応症や適切な利用方法がありますので、すべての症例を対象としていません。

十分な診査、診断のもとに行います。

診療費用は歯の本数により異なりますので、担当医にお問い合わせ下さい。

 

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歯周病勉強会

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成26年4月18日、二階堂先生主催の歯周病勉強会に参加しました。

今回の文献抄読は、インプラント表面性状がインプラント周囲炎に与える影響について文献抄読をしました。

現在のインプラント表面性状は、チタンを加工してざらついた面に仕上げるのが主流です。

1昔前(現在でも使用している歯科医院もあります)は機械研磨と言って、滑沢な表面性状のものがありました。これだと、インプラント周囲炎になった時に清掃がしやすいというメリットがあります。

しかし、現在はざらついた加工をしているため、バクテリアが付着しやすいと言われています。

当院で使用しているstrawmann社(スイス)製インプラントはSLAといい、酸エッチングをして細かいくぼみを作っています。

インプラント周囲炎になった時の対処は、他社製品と比較すると適切な治療によりリカバリーがしやすい製品です。

インプラント治療をした場合、だめになったらすぐ交換というわけにはいきません。

市場には様々なメーカーからインプラントが発売されています。

10年、20年と使用していただくために、最も信頼の出来る製品を使用していきます。

 

 

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歯周病勉強会例会

東京都葛飾区金町の歯医者 尾澤歯科医院院長の野村です

平成26年3月1日(土) 二階堂先生主催の歯周病勉強会に参加しました。

インプラント周囲炎の文献抄読。

今回はストローマンインプラントの文献2編。

歯周炎の患者と歯周炎に罹患していない患者にインプラントを埋入し比較検討したもの。

歯周炎の患者は歯周炎に罹患していないひとに比べてインプラントも歯周炎に罹患しやすいということ。

予想している結果ではありますが、歯周炎の患者に対しては、十分に歯周炎の治療を行い、改善させてからインプラントを行わなければなりません。

当院においても必ず歯周炎のコントロールをしてからインプラントをおこなうようにしています。

治療期間、回数はかかりますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

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EPIC同窓会

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

平成25年12月15日(日曜日) EPICの同窓会に参加しました。

二階堂雅彦先生の主催する勉強会で、歯周病治療のアップデードをしていただいています。

昼から懇親会まで素晴らしいスピーカーの先生方のおかげで、大変有意義な1日となりました。

歯周病治療は当院にとって、大事な柱となっています。

すなわち、歯周病のコントロールを基本とした治療を行っています。

むし歯の治療を例に挙げても、歯周病のコントロールが出来ていない患者さんにむし歯の治療をしてもうまくいかないことが多くあります。

インプラント治療もむし歯の治療も、当院に来院される患者さんはほぼ100%の確立で

歯周病の治療、メンテナンス、予防治療をおこなっています。

むし歯だけ治してほしいと来院する患者さんには、歯周病治療の重要性を理解していただき、治療を勧めることも多くあります。

1つの歯より、1口腔単位での治療をしたほうが、将来的に有益です。

 

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インプラントスタディークラブ

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

平成25年11月7日(木) 東京医科歯科大学にて、ITI主催のスタディークラブが開催され参加しました。

ITIは国際的なインプラント学術団体です。

インプラントメーカーにとらわれることなく、学術的な見地よりインプラントを学べる組織です。

ゲストスピーヵーには大阪開業の中島康氏。

インプラント周囲炎に対する対処法について講演していただきました。

中島先生のお話は何度も伺っています。徹底したプラークコントロールを行っている事は何度聴いても勉強になります。

インプラント周囲組織に炎症が起きたらどう対処するのでしょう?

原因となっている細菌のコントロールが重要です。

ご自身の天然歯もインプラントも対処方法は同じということです。

しかし、インプラントの方が人工物であるために手入れが難しい場合があります。

我々歯科医師や歯科衛生士が医院内にて掃除をきれいにしても、当の患者さんが家で手入れが出来なければ効果はありません。

セルフコントロールが大事です。

少しでも長く機能させるために、尾澤歯科医院では衛生指導を重視しています。

歯ブラシだけではなかなかプラークを落としきれません。

デンタルフロスや歯間ブラシ。場合によりタフトブラシ(小型の歯ブラシ)を使用していただきます。

重要性を理解していただければ、面倒でもきれいに手入れをするものです。

1日1回は丁寧に磨くことをお勧めします。

 

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歯周病勉強会

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

平成25年9月7日(土) 定例の二階堂先生主催の歯周病勉強会に参加しました。

インプラント周囲炎についての文献抄読にて、インプラント周囲炎と歯周炎の組織的な違い。

また、歯周炎での検査方法、例えばポケットプロービングを行うべきかなどのディスカッションでした。

当院では、歯周炎と、インプラント周囲炎を区別することなく歯周検査を行います。

インプラントも歯と同様に検査をすることで、炎症の有無や進行状況を把握することが出来ます。

早期発見することで、簡単な治療で治癒することができるのは、インプラントでも同様です。

定期的な来院による歯周検査は、疾患を未然に防ぐため重要です。

インプラント、ご自身の歯の区別なく、これからも予防に努めたいと思います。

 

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インプラント周囲炎

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

平成25年7月20日、二階堂雅彦先生の主催する歯周病勉強会に参加しました。

最近のテーマは「インプラント周囲炎」

最新の文献を検討しました。

天然歯の歯周炎とインプラント周囲炎。

同じ口腔内で発生するものですが、わからないことが多くあります。

天然歯の歯周炎は、長年の研究によりおおよその原因菌は解明されています。

インプラント周囲炎はまだまだ研究されていないことが多く、原因菌さえも解明されていません。

昨日読んだ論文によると、共通する細菌はあるものの、インプラントには黄色ブドウ球菌がつきやすいというもの。

また、T.Forsythiaという細菌が優位に多く認められたとのこと。

インプラント周囲炎は天然歯の歯周炎とは違った細菌が関与している可能性が示唆されました。

クリニックの立場から申し上げると、

プラークコントロールが重要であり、細菌の塊が永く留まらない環境にすることが大事です。

現時点では、定期的にメンテナンスをしていくことに変わりはありません。

 

投稿日: by nomura