アーカイブ: 11月 2013

コンポジットレジン修復ハンズオンコースに参加

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

平成25年11月23日、24日の2日間にわたりCR修復のハンズオンコースに参加しました。

講師は東京医科歯科大学 高齢者歯科学講座で同門の高橋登先生。

医局時代より大変お世話になっている先生です。

CR審美修復は確実性がないと考えていたため、自費治療では患者さんにお勧めしていませんでした。

高橋登先生の推奨している「3Dレイヤーテクニック」は共感できるものでしたので、取り入れることにしました。

治療時間と設備、ランニングコストから、保険治療で提供することは出来ませんが、

自費治療のオプションとして選択していただければ患者さんにとって、とても有益な方法となります。

セラミックスによるかぶせ物の治療は、審美的に優れております。

しかし、歯の削合量が多いという欠点があります。

むし歯に罹患している部分を削合し、出来るだけ歯質を保存してCR修復を行うことは、歯を長持ちさせることにつながります。

仕上がりは美しく、セラミックスと比べても分からないくらいです。

セラミックスは歯の強度以上で、経年変化がありませんが、審美CR修復は色の変色は避けられません。

しかし、自分の歯も経年変化があるため、同等ということも出来ます。

少しでも多くの歯を保存し永く使用していただくためには、様々な努力が必要です。

 

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歯周病勉強会

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

平成25年11月16日 歯周病勉強会に参加しました。

本日はインプラント周囲炎と咬合のテーマで文献抄読。

インプラントに過剰な咬合を与えるとどうなるか。

インプラント周囲の骨吸収を起こし、最終的には脱落します。

動物実験において咬合を100μm高くしたくらいでは骨吸収を起こしませんでしたが、

250μmでは明らかな骨吸収が生じ、さらにインプラント周囲にプラーク(細菌のかたまり)がある場合には咬合負荷と相乗効果が生じ、インプラント周囲の骨を吸収するようです。

プラークコントロールの重要性や定期的なメインテナンスによる咬合のチェックが重要であることを示唆していました。

場合によりナイトガード(夜間に装着するマウスピース)は必要でしょう。

睡眠時は日常の3~4倍の咬合力をかけてしまう方がいます。

そのような方がクッション機能のないインプラントで咬合すると、インプラントのかぶせ物が壊れたりインプラント周囲の骨吸収を起こしたりします。時にインプラント自体が折れることもあります。

このような方にはナイトガードは必須です。

 

 

 

 

 

 

 

投稿日: by nomura

心療歯科について

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

「インターネットで心療歯科で検索したら尾澤歯科医院がでてきました」

とのお問い合わせがありました。

心あたりがなかったので、当院のホームページを確認しましたが、心療歯科の記載はありませんでした。

yahooなどの検索ツールを使用して「心療歯科・葛飾区」で検索したところ、

他の検索サイトに尾澤歯科・心療歯科と載っているのを確認しました。

そもそも心療歯科とは?

標榜診療科目には「心療歯科」はありません。

大学病院などで細分化された科として存在するかもしれませんが、開業医では無いのが現状です。

おそらく心身症、精神疾患の患者さんが通院するための造語かと思います。

当院では心身症の専門医院ではありませんが、精神疾患の患者さんが通院されても対応が出来るようにしております。

しかし、歯科治療で精神疾患を治療するわけではありませんので、誤解の無きようご理解下さい。

 

 

投稿日: by nomura

第23回日本全身咬合学会学術大会

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

平成25年11月10日(日) 日本全身咬合学会学術大会が日大にて開催され、参加しました。

東京歯科大学スポーツ歯学の石上教授の講演がありました。

「スポーツパフォーマンスに咬合の関与はあるのか」の演題。

咬合の関与はあるのは以前より明らかですが、スポーツ選手からの実験データより、咬合との関与を示唆しました。

種目により力の入れ方に違いが出ます。

私の疑問は、咀嚼筋である咬筋に力を入れる事は理解できるのですが、

力を入れた際の咬合接触や咬合力の程度によりどのようにパフォーマンスに関わってくるのかが疑問です。

様々な議論があり、まだ解明されていないため早い解明を望んでいます。

ゴルフの尾崎直道選手がマウスピースを装着してツアーに参加し、失格となったのは記憶に新しいところです。

確かにマウスピースを用いると優位に力が出るのは明らかです。

マウスピースにて単に飛距離を伸ばすのを目的とせず、過剰な咬合力から歯を保護するのは医療行為になります。

歯科医療にてマウスピースを作製していれば失格にはなりません。

ゴルフ選手の方は、試合前にオフィシャルに申請してから試合に臨むことをお勧めします。

 

 

 

投稿日: by nomura

インプラントスタディークラブ

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

平成25年11月7日(木) 東京医科歯科大学にて、ITI主催のスタディークラブが開催され参加しました。

ITIは国際的なインプラント学術団体です。

インプラントメーカーにとらわれることなく、学術的な見地よりインプラントを学べる組織です。

ゲストスピーヵーには大阪開業の中島康氏。

インプラント周囲炎に対する対処法について講演していただきました。

中島先生のお話は何度も伺っています。徹底したプラークコントロールを行っている事は何度聴いても勉強になります。

インプラント周囲組織に炎症が起きたらどう対処するのでしょう?

原因となっている細菌のコントロールが重要です。

ご自身の天然歯もインプラントも対処方法は同じということです。

しかし、インプラントの方が人工物であるために手入れが難しい場合があります。

我々歯科医師や歯科衛生士が医院内にて掃除をきれいにしても、当の患者さんが家で手入れが出来なければ効果はありません。

セルフコントロールが大事です。

少しでも長く機能させるために、尾澤歯科医院では衛生指導を重視しています。

歯ブラシだけではなかなかプラークを落としきれません。

デンタルフロスや歯間ブラシ。場合によりタフトブラシ(小型の歯ブラシ)を使用していただきます。

重要性を理解していただければ、面倒でもきれいに手入れをするものです。

1日1回は丁寧に磨くことをお勧めします。

 

投稿日: by nomura

予約についてのお願い

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

「診療予約の電話を入れたが、本日は予約でいっぱいです」等の返事で、

予約がとりにくいとのお話を伺いました。

当院は、完全予約診療制です。

出来るだけ予約の時間に始めて、予定通りの時間に終わるよう心がけています。

急に診てほしいと言われても、出来ないことがあります。

1人の患者さんを、時間通りにじっくりと診療したいと思っています。

また、待ち時間が分からず不安な気持ちになるより、予約して予定時間に終わる方が、

1日の予定をしっかりと組むことが出来るため、大変効率的でしょう。

例外として、痛みでお困りなどの急患の際は予約外でも診療します。

困っている事。

当日キャンセルは非常に困ります。

予約された患者さんの為だけに、時間を空けて準備をしています。

ご自身の診療機会を無くすだけでなく、他の患者さんの診療機会を無くすことにもなります。

当日のキャンセルはお控えいただきますよう、お願いいたします。

食事の当日予約キャンセルや宿泊の当日予約キャンセルをしたときの事を考えましょう。

必ず高額なキャンセル料を課金されます。

そのお客様だけのために準備をしてきたので、当然の請求かと思います。

確実に来院出来る日程を選んでから予約をしていただけると、大変助かります。

我々の完全予約制での診療形態では、多くの患者さんを診ることが出来ません。

しかし、質の高い歯科医療を提供していくには、他歯科医院のように、多くの患者さんをベルトコンベア形式で診ていては不可能です。

どうぞ質の高い歯科医療を継続していくために、ご協力のほどよろしくお願いします。

 

投稿日: by nomura

クラック トゥース シンドローム

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

The Cracked Tooth Syndromeのお話です。

歯の不完全破折の結果としておこる症状の総称です。

歯にひびが入って咬むと痛かったり温度変化に過敏になったり、

マイルドな刺激(甘いものや酸性の食べ物)による知覚過敏を臨床症状として認めます。

Leica Picture

この歯の横方向に赤い線を認めます。

歯髄反応が無い(歯髄が壊死している)ため、根管治療をしようとして歯を削合していたところ、破折に気がつきました。

赤く染色してみたところ、はっきりとした線が認められ、クラックによる感染が原因で歯髄(歯の神経)が壊死したと診断しました。

通常はこのようなクラックを肉眼で確認することは困難です。

マイクロスコープによる確認作業で発見されることが多くあります。

レントゲンはほとんど有効ではありませんので、見落としやすい疾患です。

早期発見により歯を残すことが出来ます。

しかし放置すると破折が広がり、細菌感染により抜歯を選択しなければなりません。

大学での教育で、このような診断名を教わらないために、わからずに放置されることが多いようです。

早期発見、早期治療が大事です。

 

投稿日: by nomura

当院での無痛麻酔への取り組み

葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

患者さんへのアンケートをすると、歯科医院に行きたくない理由に、

「麻酔が痛い」「痛そう」

などの意見があります。

歯科治療を安全に、快適に行うためには局所麻酔が不可欠となります。

しかし、局所麻酔をするためには注射をしなくてはなりません。

「注射が痛くなければ、歯科医院に対するマイナスのイメージが少しは無くなる!」

と考え、無痛麻酔を心がけています。

無痛麻酔で必要な要件を3つ挙げます。

①表面麻酔をすること。

キシロカイン

キシロカインスプレーなどの表面麻酔薬を効かせてから注射をします。刺すときは痛みを感じません。

②細い麻酔針を使用すること。

Leica Picture

マイクロスコープにて16倍に拡大した写真です。

上から27G(主に伝達麻酔に使用している太い注射針)。

中間が31G, 下が33Gです。これが局所麻酔にて使用する針です。

この2本はほぼ太さに変わりがありません。とても細い針ですので、表面麻酔をしなくても痛みを感じにくい針です。細い為、使用の際は細心の注意をして扱います。

③電動注射器を使用すること。

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電動にてゆっくりと麻酔薬を注入することが可能です。

手動よりも痛みが軽減されるという論文や発表が多くされています。

注入圧が痛みの原因とする報告もあり、ゆっくりとしたスピード、圧力での注射は有効だと感じています。

東洋医学的に、手のツボである「合谷」を刺激して麻酔をすることもあります。

「麻酔をいつしたのか?」と聞かれることがあります。

痛みがないため気付かれないうちに麻酔が終了しますので、小さなお子さんでも嫌がらずに歯科治療を受けることができます。

また、お子さんにおいても、大人と同様にラバーダム(歯にかけるゴムのシート)をしますので、水が流れ込んだりしないため、楽に治療が受けることが出来ます。

無痛麻酔をすることで、少しでも気軽に歯科治療を受けれられるようにしていきます。

 

投稿日: by nomura