カテゴリ: 鎮静法・歯科麻酔

笑気吸入鎮静法について

東京都葛飾区 金町の歯科医院 尾澤歯科医院院長の野村です

「笑気ガス」って聞いたことはありますか?

全身麻酔にも利用される吸入麻酔薬です。

笑気はN2Oですので窒素酸化物になります。

尾澤歯科医院では、日本歯科麻酔学会認定医による、笑気を用いた吸入鎮静法を行います。

目的

1)不安感、恐怖心の緩和

2)ストレスの軽減によりバイタルサインを緩和

3)疼痛閾値の上昇(痛みを感じにくくする)

適応

1)歯科治療に不安感、恐怖感が強い患者

2)基礎疾患によりストレスを軽減させたい患者

3)異常絞扼反射の患者

禁忌

1)非協力な患者

2)鼻閉、呼吸器疾患がある患者

3)妊婦

4)体内に大きな閉鎖腔がある患者  

笑気の性状

1)導入、覚醒が速やか

2)非引火性

3)鎮痛作用が強い

4)麻酔作用は弱い

5)ボンベ内に液体として蓄えられている

酸素と笑気の混合ガスを鼻マスクから吸入します。

笑気吸入鎮静法における至適鎮静状態とは

1)意識は保たれていて、呼吸、心拍数は正常

2)恐怖心、不安感が軽減している

3)疼痛刺激に対する反応は低下する

手順

1)最初に100%酸素を吸入します

2)徐々に至適鎮静状態が得られるまで笑気濃度を上げていきます。

歯科外来における笑気濃度は20%〜30%です。

必要に応じて局所麻酔をします。

3)歯科治療終了後、笑気ガスを止めて100%酸素を吸入します。

4)覚醒は速やかですので、鼻マスクを外したら終了です。

5)ふらつきがないことを確認し移動します。

歯科治療は痛い、怖いという間違った教育をされている場合も多くあります。

実際に痛い思いをされた方もいると思います。

尾澤歯科医院では、出来るだけ快適に治療を受けていただけるよう努めていきます。

健康保険が適応される治療方法ですので、ご興味がある方はお問い合わせ下さい。

 

 

 

投稿日: by nomura

嘔吐反射の強い方の歯科治療

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

当院には嘔吐反射の強い方が多く来院されます。

鎮静下にて歯科治療をしているからです。

歯科治療は歯以外の部位にどうしても触れてしまいます。

舌や上あごの奥の方などにも、吸引の管や型どりの材料が入る事があります。

嘔吐反射は生理的なもので誰でもあるものです。

しかし、通常は少し触れただけでは反射はおきません。

反射が強い患者さんにとっては、歯科治療は大変苦痛になってしまいます。

当院では、このような嘔吐反射の強い患者さんに対して、鎮静下にて反射を和らげてから治療をしています。

まずは笑気吸入鎮静法です。

鼻にカニューレを入れて20〜30%笑気ガスを吸入します。

妊婦など禁忌はありますが、多くの患者さんに有効です。

意識ははっきりしていますが、手足が温かくなる感じでリラックス出来ます。

虫歯の治療、型どりまで対応出来ます。

次に、静脈内鎮静法。

これは点滴を確保してから鎮静剤を静脈投与する方法です。

鎮静剤はおもにミダゾラムを使用します。インプラント治療の鎮静ではプロポフォールを併用することが多いです。

意識がある状態で鎮静のコントロールをします。呼びかけに答えられる程度の鎮静度合いです。

日本歯科麻酔学会認定医がおこないますので安心です。

健康保険の適応となりますので、嘔吐反射の強い方は相談してください。

投稿日: by nomura