カテゴリ: 根管治療・歯内療法

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)について

東京都葛飾区の歯科医院 尾澤歯科医院院長の野村です

拡大鏡とマイクロスコープは私の歯科治療には不可欠なものになります。

私の使用しているライカのマイクロスコープです。

倍率は6倍から40倍までですが、ほぼ16倍を使用しています。

切手を撮影しました。

6倍(実際には2倍くらいでしょうか)

10倍

16倍(ほぼこの倍率を使用)

20倍(全体が把握出来ない)

40倍(視野が狭いためあまり使用しません)

肉眼では分からないことが、拡大下では見えてきます。

小さな歯の破折やクラック、根管内の異物や汚れ、切削面の仕上げなど挙げればきりがありません。

「マイクロスコープで治療をすると、治療時間が長くなるので使用しない」という先生が多いのが実際です。

私は「マイクロスコープで明るい視野で治療することは、治療時間の短縮化につながります」と明言します。

例えば根管治療。

肉眼では根管内は見えないので、根管がきれいになっているかどうか分かりません。

見えないところを探っているので、ある意味名人芸と言えます。

私もマイクロスコープを使用しない場合は治療回数は倍位になります。

しかし、目で根管内の状態を確認出来ますので、治療回数は確実に減らすことが出来ます。

精密な歯科治療は患者さんにとっても優しい治療につながります。

 

 

投稿日: by nomura

根管治療に使用する薬剤について

葛飾区金町の歯科医院 尾澤歯科医院院長の野村です

「根管治療に使用する薬剤について」

当院では根管治療(歯の根の治療)を重視しておこなっています。

きれいなかぶせものを装着しても、その土台となる歯根が重要であるのは言うまでもありません。

さて、他院にて根管治療をおこなった際、術後に薬の匂いがしてきたという方がいました。

おそらく現代の根管治療において使用されなくなっているFC(ホルマリンクレゾール)等の揮発性根管貼薬材の匂いだと考えられます。昔の歯科医院の匂いです。さらに、貼薬材の上につめる仮封材がストッピング等の封鎖性に劣る材料を使用している場合は薬液が漏れる可能性が高いです。

現在はどのような薬剤を使用するでしょうか?

洗浄を目的とした薬液はNaOCL(次亜塩素酸ナトリウム)とEDTAが主となります。

塩素にて微生物を構成する細胞膜、細胞壁を壊し、タンパク質等を溶解します。

EDTAにてスメア層などの無機質を溶解します。

これらを超音波を併用し効果的に洗浄を行います。

洗浄した後につめる薬は?

貼薬といいますが、Ca(OH)2 (水酸化カルシウム)が主となります。

白色無臭の粉末です。生理食塩水等に溶かしてペースト状にして使用します。

強アルカリ(pH12.5)にて理論上は細菌を死滅させます。

貼薬した根管は、水硬性セメント等で封鎖します。

例外はありますが、現在一般的に行われている歯内療法専門医の手順になります。

正しい診査診断、現代のエビデンスに沿った治療方法。とても大切です。

 

投稿日: by nomura

根管治療が困難なケース

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です。

根管治療は難しい場合があります。

血管は単純な形態をしておらず、細かく分岐をして走行しています。

歯の中を通っている管(根管)は血管や神経で構成されています。

血管が複雑な分岐をしているように、根管も複雑に分岐をしている場合が多くあります。

こちらの写真は教科書からの引用です。

単純な形態をしていないのが分かると思います。

従来の方法はこの複雑なものを肉眼で治療していました。

当然ながら成功率は低いと言わざるを得ません。

再根管治療の成功率は文献的には低いのですが、

当院での再根管治療の成功率は高いです。

その理由は、精密根管治療にあります。

歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いた精密根管治療です。

当院ではドイツのライカ製の顕微鏡を使用しています。

顕微鏡にて高倍率での治療、根管用超音波器具を併用することで、肉眼では見えない汚れをきれい取り除くことが可能になりました。

精密根管治療は治療時間が長くなります。

従って、保険治療にて行うのには限界があります。

基本的に自費治療とさせていただいております。

根管治療の成功なくして、補綴治療(かぶせものの治療)の成功はありません。

土台からじっくりと取り組むことが、長期安定の秘訣です。

 

投稿日: by nomura