アーカイブ: 4月 2017

アマルガム除去のすすめ

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院院長の野村です

歯のつめもの(充填剤)である「アマルガム」のお話

当院ではアマルガム充填の除去を積極的に勧めています。

アマルガムは水銀とほかの金属との合金です。現在はアマルガム充填を施行している歯科医院はごく少数ですが、治療の簡便性から多くの歯科医院で行われました。

アマルガムには接着力が無く、緊密に充填することで維持をさせている状態です。

多相合金であることから、Hg(水銀)とイオン化傾向の差が大きい金属を用いることで、耐食性が悪い。高銅型アマルガムは従来型より耐食性は改善しているが、腐食、溶解しないわけではありません。

気になる毒性であるが、水銀を約50%も含んでいるアマルガムの毒性を無視出来ません。合金として安定しているが、咬合により摩耗し体内に蓄積する、加熱により遊離することが考えられます。

Hgの極量は100γ/日(1γ=1,000mg)であり人体に影響する量ではないが、人体に有害な物質であることに変わりはありません。

尾澤歯科医院におけるアマルガム除去例

上顎第臼歯にアマルガムが充填されています。必ずラバーダム防湿を行い、切削した時に削片を飲み込まないようにすることが大事です。

アマルガムを削除した写真。切削量を少なくし、歯質を出来るだけ保存します。

CR(コンポジットレジン)を充填したところ。歯質とCRの接着に十分な配慮をし、緊密に充填することが大事です。

一般的にはコンポジットレジン充填やセラミックスインレーによる充填を行います。

アマルガムは人体に有害なだけでなく、接着性が無いために歯に対する力学的な負担を増大します。場合により歯質の破折を招き、抜歯を余儀なくされる場合があるため注意が必要です。

 

 

投稿日: by nomura

第28回日本歯科先端技術研究所 学術大会

東京都葛飾区金町 尾澤歯科医院 院長の野村です。

平成29年3月12日 学術大会を主催しました。

基調講演を理化学研究所 辻孝先生にお願いしました。

辻先生は歯の再生医療にて脚光を浴びた先生です。

ねずみの顎骨に歯を再生させることに成功しておりますが、実際の口腔内にて臨床試験はまだ行われていません。

歯の奥歯は大臼歯といいます。大臼歯には複数の歯根があり歯を支えています。

辻先生によると、再生医療にて再生した歯は、歯根が1本。単根しか出来ないようです。

細胞が分化する過程において、歯の大きさ、歯根の数を判断するタイミングがあるようで、実際に望んだ大きさではないことがあるとのことでした。

臨床試験を経てからの人での応用となるため、まだまだ先のようです。

それまでは、義歯、インプラントがまだまだ活躍することでしょう。

 

投稿日: by nomura